「海外療養費制度」はマレーシアでも使える!請求方法と申請時の注意点

サバ州の病院

海外に移住を考える際に気になることの一つは、「もしも病気になったらどうする?」ではないでしょうか。

たまたま何もなく過ごせれば一番ですが、急病にかかったり、事故や怪我にあう可能性は誰にでもあり得ます。

そこで今回は、マレーシアの医療機関で治療を受けた場合に「海外療養費制度」は使えるのか?という論点に絞って解説したいと思います。

海外療養費制度とは?

海外療養費制度とは、日本国外で支払った医療費の一部が払い戻される制度です。

国民健康保険や社会保険等に加入している方であれば、日本で医療機関にかかった場合と同じように、医療費の払い戻しを受けることができます。

ここでは、国民健康保険での請求方法に的を絞ってご紹介します。

請求方法

請求方法には、いくつかの段階があります。

日本のように保険証を見せて終わり、というわけにはいきませんので、しっかりと必要なステップを確認してください。

申請用紙の取得

まずは、医療機関に出向く前に、申請用紙を印刷しておきましょう。

もしくは、日本を出発する前に、各市町村の健康保険窓口にて、必要書類を受け取ることもできます。

申請に必要となる重要書類は、「診療内容明細書」と、「領収書明細」です。

日本で用紙を準備できなかった場合は、各市町村のホームページ、もしくは健康保険組合のホームページからダウンロードできると思います。

東京都杉並区を例に挙げますと、公式ホームページ内に「海外療養費支給申請に必要な書類」というページが用意されています。

ページの下部には海外療養費支給についての詳しい内容が記載された添付ファイルが用意されていますし、申請書に関してもこのページからダウンロードすることが可能です。

実際にダウンロードした診療内容明細書がこちら。書類は全部で6枚ありました。

そのうちの病院で記入してもらう2枚がこちら。

病院にかかる際は、この書類を絶対に忘れないようにしてくださいね。

病院受付にて確認

病院に到着したら、受付にて先ほどの診療内容証明書を見せます。かかる病院が保険の取り扱いをしてくれるか、一応の確認ですね。受診したあとに記入できません、と言われると困りますので。

私が病院にかかった際は、「これは保険に関係する書類です。先生に記入していただく必要があるのですが。」と尋ねたところ、「では、診察室に持って入って、先生に直接見せてください。」と言われました。

医師に記入のお願い

診察室に入ったら、できるだけすぐに先生に診療内容証明書を手渡します。

「 Insurance(保険) 」に関係する書類だ、ということさえ伝われば大丈夫だと思います。

記入を拒否されれば保険は下りませんので、気をつけて下さい。

私の場合は、「はいはい、了解。」という感じで、トントンと話が進みました。過去にも保険を使う患者さんの経験がおありだったと思います。

とはいえ、先生の英語での記入がとても読みにくく、重要な部分は逐一確認しながら自分でも書き留めました

注意
日本で申請するときに、内容の翻訳が求められます。あとで翻訳できるように、必ず医師の書いた内容を確認するようにしてください。

領収明細書

診察が終わったら、あとは会計です。

会計の際に、必ず領収明細書の記入をお願いしてください。

日本で申請する際に、診療内容証明書と一緒に提出する必要があります。

ちなみに、現地での支払いは一旦は自己負担になります。

各市町村にて支払い請求

支払い請求は、オンラインではできません。

日本に一時帰国した際に、自分が籍を置いている市町村の国民保険の窓口で、請求手続きを行います。

申請の注意点

帰国後の各市町村窓口での申請は、治療後2年以内と定められています。

忘れずに申請するためにも、帰国時に早めに申請されることをお勧めします。

また、申請者は世帯主となります。

ちなみに、私の場合は申請してから振込みまで、半年ほどかかりました!

これは市町村にもよると思いますが、申請したらすぐに振り込まれるわけではないので、ご注意ください。

支給される金額

基本的には、日本で同じ治療を受けた場合の治療費を基準として計算されます。

日本の治療費の基準額よりも高い場合は、基準額の範囲内での支給となりますし、基準額以下の場合は、その現地での治療費を基準として計算がされます。下記に例を挙げました。

日本で盲腸で入院=10万円←基準額
3割負担で最終支払いは3万円。

 

マレーシアでの治療が10万円だと、日本の基準額と同額のため、自己負担は3万円。
もし治療費が5万円だったら。。。日本の基準額より安いので、5万円を基準として、3割の1万5千円が自己負担。

 

もし治療費が15万円だったら。。。日本の基準額より高いため、保険からの支払いは7万円のみ。最終的な自己負担は8万円。

いかがでしょうか?

日本での治療を受けた場合と比べて、あまりにも現地での治療が高い場合には、自己負担額が高額になる可能性もあります。

病院を選べる余裕がある場合には、比較検討が必要かもしれません。

高額療養費制度の適用は?

高額療養費制度とは、医療費の負担を軽減するための国の制度です。

一ヶ月間に支払う医療費の総額が国の定める上限を超えた場合に、国が超えた額を支給してくれます。(詳細は厚生労働省の公式ホームページをごらんください)

実はマレーシアで治療を受けた場合にも、この制度を利用することができます。

もちろん高額療養費制度の場合も、日本での同じ治療を受けた場合の費用を基準とした計算がなされますので、注意が必要です。

保険給付の対象となる医療行為

海外での、保険給付の対象となる医療行為に関してですが、日本国内で保険の診療対象として認められている医療行為に限定されています。

たとえば、美容整形、インプラント治療などは日本で保険対象外 ( 全額負担 ) となっています。こうした治療を海外で受けても、支払対象とはならないため注意が必要です。

また、そもそも海外渡航の目的が治療を目的としている場合にも、保険給付の対象とはなりません。