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熱帯のマレーシアで気をつけたいデング熱の危険性とは?症状と対策もご紹介

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世界で最も人間の命を奪っている生物は「蚊」と言われます。マラリヤやジカ熱など、蚊を媒介して感染する病気は数多くあります。

マレーシアで特に気をつけておきたいのがデング熱です。日本でもデング熱の症例が発見されて、大きなニュースになったことがありましたね。

デング熱は、蚊に刺されることによって感染する疾患です。

デング熱は急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られます。通常、発症後2~7日で解熱し、発疹は解熱時期に出現します。デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあります。

厚生労働省公式ウェブサイト

特に都市部などの住宅密集地で発生しやすいネッタイシマカ(Aedes)の吸血活動を介して、人から人へとウイルスが伝染する病気とされています。

熱帯・亜熱帯で多く感染が見られるデング熱

マレーシアのような熱帯や亜熱帯の地域で多く発生するデング熱にかからないようにするためには、滞在中に十分な蚊への対策をしておくことが大切です。

マレーシアの「蚊」事情

マレーシアは常夏、とは聞こえがいいですが、常夏=常蚊です。そう思えば日本は楽でしたね、蚊が発生する夏も数か月だけ我慢すればよかったのですから。そして基本的に日本の蚊はいくら刺されてもデング熱にかかることはほぼありません。

マレーシアでは毎日が蚊との闘いです。住んでいる場所によっては、一晩中電気蚊取り器を付けとかないと安眠できなかったり、家に蚊が入ってこないように網戸の心配が必要だったりします。

外出時には、車の中に蚊が入って「血みどろ」の格闘になったり、マレーシアの厳しい日差しとの戦いから爽やかに守ってくれる木陰に入ったと思ったら、今度は殺しても殺してもどんどん湧いてくる蚊との乱闘に突入したりと、なかなか安心できる場所はありません。

心地よいはずの木陰が「激戦場」になることも

全ての蚊がデングウイルスを持っているわけではないものの、やはり感染の危険とは隣り合わせなわけで、常に対策が必要です。

デングウイルスを持つ蚊は、午前中や夕方に活発に活動すると言われています。また、排水溝などの比較的温かで、水の流れが停滞するような場所から大量発生する場合もあります。

気をつけるのはデング熱だけじゃない!

マレーシアで蚊を媒介して感染する病気はデング熱だけではありません。チクングニア熱と言われる病気もあり、毎年一定数の感染者がマレーシアで発生しています。

チクングニア熱にかかると、発熱が見られ、後遺症として長期間関節痛が残る場合があります。

デング熱の危険性とは?

デング熱はマレーシアでは一般的な病気です。私の周りでも何人もデング熱にかかった人がいます。

発症すると、インフルエンザの症状のような関節痛や発熱が見られます。熱が上がったり下がったりする場合があるようです。

これだけならただの風邪程度の病気って感じですが、デング熱が怖いのは、デング出血熱へと移行してしまう可能性があるということなんです。

デング熱に感染すると血液中の血小板数が減少すると言われていて、内出血のような発疹が出る場合があります。

ただし血小板の減少が著しくなってくると、デング出血熱と呼ばれる段階に移行し、内臓で血漿の流出が起こり胸水や腹水が溜まったり、出血が起こったりと重篤な症状になり、最悪の場合死に至ります。

この記事を書いている2023年2月時点では、週に2000人程度の感染が報告されていて、そのうち数名が死亡しています。

私の周りでも、デング出血熱で亡くなってしまった方もいました。健康なマレーシア人の50代の男性で、毎日ジョギングをして健康に気を遣っていた方でしたが、ジョギング中に蚊に刺されデング熱に感染、その後出血が止まらなくなり、入院してから数日で命を落としてしまったのが衝撃的でした。

蚊に刺された後に体調に不安があったらすぐに病院へ!

マレーシア滞在中、蚊に刺されたあとに発熱等の症状が出た場合は、できるだけすぐに大きい総合病院にかかるようにしてください。マレーシアではデング熱のケースが多発しているため、医師たちの経験値も高いといえます。

できるだけ早くに治療を開始することが大切です。日本に帰国してから病院へ…と考えて我慢している間に症状が進行して危険なデング出血熱に進行したり、発熱のために帰国便で搭乗拒否されることもあります。

もしマレーシア帰国後に症状が出始めた場合は、すぐに大きな病院の救命外来に行き、受付で「マレーシアから帰国したばかりである」ことを伝えるようにしてください。渡航期間、渡航先、活動内容などを聞かれ、海外からの感染症輸入疑いとして対処してくれます。

デング熱の症状とは?

デング熱の詳しい症状については下の図をご確認ください。

厚生労働省のホームページ上でも、デング熱に関する詳細が解説されていますので、詳しい情報を知りたい方はそちらも合わせてご確認ください。

現在のマレーシアでは、デング熱に加え、チクングニア熱やジカ熱に対しても警戒を強めています。この2つの病気も蚊を媒介して感染する病気です。いずれにしても蚊よけ対策は必須です。

マレーシアでの蚊よけ対策Q&A

マレーシアのホテルや住居にも網戸はある?

マレーシアでは網戸がデフォルトで付いているホテルや住居はあまり一般的ではありません。

高級ホテルであったとしても、網戸がついていると管理が大変だからか、景色が悪くなるからか、網戸が付いていることはまずありません。

特に夕方、日が沈む頃から蚊が活発に出てきますので、夕方以降は家に蚊が入ってこないようにドアや窓を閉め切ってエアコンを使うなどの対策を行います。

賃貸住宅の場合、オーナーがしっかりした方で、窓やドアすべてに網戸を設置してくれていることもありますが、私が個人的に住んできた過去の家には付いていませんでした。

網戸屋さんに仕立ててもらうとコストが高くなるため、ハードウェアショップなどでメーター売りになっている網を買ってきて、窓やドアについている防犯用のグリルに結束バンドなどで固定するDIYを引越しの度にしています。

日本のAmazonなんかで売っている、網戸キットを持ってくるのも手だと思います。

上層階に住んでれば大丈夫?

コンドミニアムの上層階に住んでるから大丈夫!と思っておられる方がいるようですが、残念、上層階でも蚊は入ってきます。マレーシアの蚊を舐めてかかってはいけません。

人にくっついて来るのか、自力で登って窓から入るのか、器用にエレベーターを使って上がってくるのか、はたまた下水の配管などを伝ってくるのかわかりませんが、とにかく上層階にも蚊は存在します。

また、手入れの行き届いたコンドミニアムなどでは、定期的に防虫剤の散布(フォギング)をしているところがあります。でも、その煙から逃げるように上へ上へと蚊が上がって来ることも。

以前、コンドミニアムの比較的蚊の出没が少ない13階に住んでいたことがありますが、蚊を駆除するフォギングの度に室内に蚊がたくさん入って来るということがありました。

上層階だと蚊が少ないのは確かですが、マレーシアで完全に蚊をシャットアウトすることは不可能です。

マレーシアで売っている蚊取りマットや蚊取り線香に効果はありますか?

一定の効果はあるように感じます。マレーシアのたいていのスーパーには、電気式の蚊取りマット(液体式もあり)、渦巻きになった蚊取り線香、でっかいボトルの蚊取りスプレーなどが大量に販売されています。

これまでマレーシアで発売されている各社の製品を使ってきましたが、どれも一定の効果はあったように感じています。

ただし、マレーシアの製品は日本の製品よりも匂いがきついというか、体に悪そ〜〜〜な匂いがするものもありますので、いろいろなものを試されると良いと思います。

ちなみにうちで使っているのはフマキラーの液体タイプの蚊取りマット。

マレーシアで外出するときに虫除けスプレーって効きますか?

マレーシアではいろいろな虫除けスプレーが販売されていますが、効果はピンキリかと思います。

天然成分しか使っていないお肌にいいタイプのものや、化学物質バリバリのものまであります。

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高圧ガスを使わないミストタイプのこちらの蚊除けを一時帰国の時に買ってきていましたが、最近は英語表記の同じ製品がマレーシアの薬局で売られています。

マレーシアで売られている日本の蚊除け

個人的におすすめの製品で、小型ということもあり、車内にも常備、バッグの中にも常備って感じです。

マレーシアで売られている蚊よけスプレーを色々試しましたが、実はあまり効き目を感じないことが多く、逆によく効くスプレーは刺激が強烈すぎて目が痛くなるほどです。

デング熱が流行するのは何月ですか?

デング熱は蚊を媒介としますので、蚊が生きられる間はリスクがあります。マレーシアには冬がありませんので、1年中いつでもデング熱に感染する可能性があります。

しかし、北東モンスーンの雨が多い時期には水溜りができやすく蚊が発生しやすくなるとか、南西モンスーンの期間にエルニーニョ現象が強くなると伝染病の流行が起こり、その中にはデング熱が含まれるとも言われています。

要は、1年中気をつけてください。

デング熱対策のマレーシアの試み

マレーシア政府は国民に対して、蚊の発生源となるような水が溜まりやすい状況を作らないようにと指導しています。あちこちに立て看板を立てたり、SNSを活用して啓蒙活動を進めています。

街のあちこちで見かけるデングの蚊対策の看板

特に勧められているのは、植木鉢や古タイヤなどに雨水が溜まりやすいため、定期的に家周辺を掃除してこうしたポイントを潰すようにと再三言われています。

こんなところから蚊が大量発生
デング熱を媒介する蚊を発生させると罰金?

マレーシアの法律では、デング熱を媒介するネッタイシマカの発生源となった場合、RM500の罰金が課される場合があります。また、繰り返し発生させたことが裁判所で認められた場合、さらに厳しい罰則が規定されています。

また、デング熱に感染した人が発症した場所では、フォギング(殺虫剤の散布)を行います。街中を歩いていてフォギングの煙を見かけたら、近くでデング熱に感染した人がいるということなので、対策強化したいものです。

蚊を駆除するフォギング。その効果は???

最近では、マレーシア政府が提供しているCOVID-19の対策アプリMySejahteraの中に「Infectious Disease Tracker (伝染病トラッカー)」なる機能が搭載されていて、現在地の半径200m以内で過去14日以内に報告されたデング熱感染者数を確認できます。

デングウイルス感染予防のワクチンの承認

武田製薬がQDENGAという名称の4価弱毒生デング熱ワクチンを開発し、現在マレーシアで使用が承認されています。

デングウイルスには4種類あるとされていますが、その全てに対応する4価ワクチンとなっています。

接種対象年齢は4歳以上となっていて、今後のマレーシア国内でのデング熱感染および重症化リスクを下げることが期待されています。

デングウイルスを運ばないネッタイシマカの放流?

少し興味深いデング熱対策がマレーシアでは行われています。

デング熱を運ぶネッタイシマカにボルバキアという細菌を感染させると、デング熱、ジカ熱、チクングニア熱といったウイルスの感染力が阻害されるという点が発見されたため、ボルバキア感染済みのネッタイシマカを放流して、未感染のネッタイシマカと置き換える試みがなされています。

これによってマレーシアの首都圏ではデング熱の感染者数が40-80%減少したと見られています。

さいごに

マレーシア旅行時に気をつけるべきデング熱の実態と、個人的にできる対策をご紹介しました。

蚊に刺された人がみんな感染する訳ではないですし、個人的にこれまで何百回と蚊にさされていますが、デング熱に感染したこともありません (多分…怪しい発熱は1度あったが…)。

見てるだけでむず痒い蚊

とはいえ、やはり日本とは違い蚊を媒体とする伝染病にかかる危険性がはるかに高いマレーシア。しかも、罹患すると死の危険性があります。

マレーシアに来られる前には、必ず日本で蚊よけグッズを用意されることをおすすめします。町歩きには、小さくてかさばらない携帯用スプレーが便利です。

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