マレー語の人称代名詞③ 三人称単数・複数

人称代名詞はマレー語で “Kata Ganti Nama Diri” といいます。人称代名詞は、一人称 (自分)、二人称 (話し相手)、三人称 (第三者) に分類されます。さらにそれぞれが単数と複数へ分類されます。

マレー語は日本語と同じように、状況や立場によって異なる人称代名詞を使い分ける必要があります。使い方を間違えると失礼になってしまうこともあるので注意が必要です。

 単数複数
一人称saya
aku
kita
kami
二人称anda
kamu
awak
kalian
三人称diamereka

三人称単数 (彼、彼女、それ)

三人称単数(Kata Ganti Nama Diri Ketiga Tunggal)には4種類ある。

dia (彼・彼女)

性別に関係なく第三者を表すのに使える。「彼」も「彼女」も、この言葉で表すことができる。人間や神にしか使えない。物には使えない。

ただし、日本語でも自分の大切にしているネコに対しては、「あの子」とか、「あいつ」と呼んで、人のように扱うように、マレー語でも同じ感覚で動物に対しても使われる事がある。通常は、動物に対して人称代名詞を使わずに、「あのネコ(マレー語: “kucing itu”)」と言う。

ia (それ)

“Dia”とほぼ同じ意味。人に対してにしか使えないと書いている文法書があるが、実際日常会話では物や動物に対しても使われている。実際辞書を見ると、「それ」という意味も含まれている、と書かれている。

“dia”と違って、”ia”は主語にしかなれない。文末に目的語として、また所有格として使う事はできない。(詳しくはページ下部の注意点の項にある例文を参考)

biliau (あの方)

年上の人や立場の高い人を尊敬の気持ちを込めて指すときに使われる。

baginda

王族に属する人を指すときに使う特別な三人称代名詞。

彼ら、彼女ら、それら(三人称・複数)三人称複数(Kata Ganti Nama Diri Ketiga Jamak)は一つだけ。

三人称複数 (彼ら、彼女ら、それら)

mereka

発音に注意!”mereka” の第一音節 “me” は、あいまいな “e” として発音する。2つめの “re” は、スマイル “e” になる。あえてカタカナで書くと「マレカ」か「ムレカ」になる。

人か物か、男性か女性かに関係なく使える。

小学校の教科書に基づく注意点

動物、物、場所、抽象名詞に”dia”や”ia”を使う事はできない

例1)× Menara KLCC tinggi. Ia terletak di KL.
例2)○ Menara KLCC tinggi. Menara itu terletak di KL.
日本語訳:KLCCタワーはとても背が高い。そのタワーはKLにある。

例1のように物に対して、人称代名詞は使えない。人称代名詞は人に対してのみ使える。ただし、”ia”の項目で説明したように、親しみや大切さの表れで、人のように呼びたい時に現地の人も人称代名詞を使う。

例3)○ Nama kucing saya “Tama”. Ia sangat comel.
日本語訳:わたしのネコの名前はタマです。あの子はとてもかわいいんです。

“ia”は動詞の目的語(objek)になれない

例1)× Kami tidak suka berkawan dengan ia.
例2)○ Kami tidak suka berkawan dengan dia/nya.
日本語訳:私たちは彼と一緒に遊ぶのが好きではない。

動詞の後の目的語には”dia”か”-nya”を使う。”-nya”については別の項目の人称代名詞の短縮形を参考してください。

受動態の動作主に”ia”は使えず、”-nya”か”dia”が使われる

例1)× Baju itu belum dijahit ia.
例2)○ Baju itu belum dijahitnya.
日本語訳:その服はまだ彼女によって縫われていない。

所有格(だれだれの物)には、”ia”が使えず、”-nya”が使われる

例1)× Adik ia berusia lima tahun.
例2)○ Adiknya berusia lima tahun.
日本語訳:彼の弟は5歳だ。

マレー語での電話対応

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