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2023.11.25 マレーシアの9つの州の50を超える学校に爆弾予告メールが

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2023年11月21日から数日に渡って、マレーシアの9つの州の50を超える学校に爆弾予告メールが届くという事件が発生しました。

対象となったのは、各地のインターナショナルスクール、私立学校、国立学校などが含まれていますが、特に初日はインターナショナルスクールがメインの標的となっていたようです。

ちなみにKLにある日本人学校にも同様のメールが届いたとの情報もあります。

警察の発表

警察の発表によると、脅迫メールの差出人は「TAKTSTORER」という名前を名乗っており、ドイツ語で「トラブルメーカー」という意味があるということです。

脅迫メールが確認され、当局への通報がなされてすぐに、マレーシアの爆発物処理班や爆弾探知犬による校内の捜索が行われました。

捜索の結果、全ての学校で爆発物は見つからず、メールは偽メールであったことが確認されました。

11/24には、マレーシア警察はアメリカFBIや国際捜査機関のインターポールと協力して、犯人探しと動機の特定を急いでいると発表しています。

なぜ国際的な捜査協力をしているのか?

国内で発生した爆弾予告事件なので、国内の捜査機関で行う捜査だけで十分そうなものですが、今回は国際的な捜査が行われています。

実は事件が発覚した当日の第一報から、11/12にマレーシアから遠く離れたジャマイカで脅迫メール事件が発生していて、この事件との関連が疑われています。

このジャマイカの事件では、70件もの教育機関に脅迫メールが送信されたそうで、その事件の犯人は逮捕されていないようです。

ジャマイカ以外にも、トリニダード・トバゴ、ドイツ、アメリカなどの国でも同様の手口の学校への脅迫メールの送信事件が起こっているということも分かっていて、そうした理由から国際的な捜査協力が行われているようです。

報道ベースでは、ジャマイカの事件の犯人として推定される人物像は、子供の頃に虐待を経験し、注意力が欠如しているものの、コンピュータの知識を持つ人物とされていますが、今回のマレーシアの事件との関連性はまだはっきりとは分かっていないとのことです。

最近の国際情勢との関連は?

マレーシアは最近のイスラエル・パレスチナの問題において、パレスチナへの強力な支持を当初から示しています。国民レベルでもイスラエルと関係のある企業の製品のボイコット運動も起こっています。

国内では以前から「ガザの人々を支えよう」「ガザの人々へ寄付を!」という内容のテレビCMが放映されることも多く、中東問題では同じイスラム教のパレスチナを強力に支持し、反イスラエル姿勢が明らかになっています。

ちなみにマレーシアのパスポートでは、イスラエルに入国することができないことになっています。私たち日本人のパスポートにイスラエルの入国スタンプがあるとどうなるかは分かりませんが、何か問題になることはあるかもしれません。

こうしたマレーシア政府のはっきりした立場や、主要なインターナショナルスクールは欧米系が多いことから、政治的なイデオロギーが今回の事件と関連していると考える人も多いようです。

しかしながら、マレーシア警察は11/25にこの点を否定し、今回の脅迫事件とマレーシア政府のパレスチナ支持の立場への抗議は何ら関係ないと見ているとはっきり述べました。

今後の影響は?

マレーシアに長期滞在されている方々の中には、子連れでお越しになっていて、インターナショナルスクールに通わせている方も多いと思いますので、不安感が高まっているかもしれません。

マレーシアの教育省は、こうした爆発物が仕掛けられた時、脅迫文を受け取った時の対応マニュアルをすでに準備していて、学校側はそれに沿って対応を行えるようになっていると述べています。

今回の事件を受けて模倣犯も出る可能性がありますが、基本的に学校の校門にはセキュリティがいて、見回りも行われていると思いますので、素人が校内に爆発物を仕掛けることは難しいと考えられます。

教育省とマレーシア警察は協力して教師、生徒、関係職員の安全を守ると当初から発表していますので、現状では安心して子供を登校させることが可能かと思います。

ただし、再度同様のメールが学校に届いた場合など、突然の下校が決定されることもあるかもしれませんし、突然お子さんを迎えに来るようにとの要請が入る可能性があることも理解した上で生活する必要があるようです。