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イスラム教が国教となっているマレーシアで最も盛大に祝われるお祭りが「ハリラヤ・プアサ」です。別名「ハリラヤ・アイディルフィトリ」とも呼ばれます。
イスラム暦の断食月として知られる「ラマダン」の後にお祝いされる、それはそれは盛大なお祭りです。ハリラヤとラマダン(断食)には切っても切れない関係がありますので、ラマダンについては別ページをご覧ください。
ハリラヤ・プアサってどんなお祭り?
マレーシアで通常「ハリラヤ」というと、この「ハリラヤ・プアサ」(または別名「ハリラヤ・アイディルフィトリ」) というお祭りを指します。
マレー語で「ハリ (Hari)」は「日」、「ラヤ (Raya)」は「大きい」という意味があり、最後の「プアサ (Puasa)」は「断食」と言う意味があります。「アイディルフィトリ (Aidilfitri)」にもアラビア語で同じ意味があります。つまりは「断食月明けの祝日」といった感じの意味です。
イスラム教徒はハリラヤ前の1か月間、宗教的に大切な断食を行ないます。その断食を無事に終えることができたことを盛大に祝うのが、このハリラヤです。イスラム教徒のマレー系の人々にとっては、1年で一番おめでたいお祭りです。
ハリラヤは大型連休となりますので、家族で実家に帰省します。親戚と集まって礼拝をしたり、美味しいご飯を食べたり、グダグダと過ごしたり、オープンハウスに出かけたりします。日本のお正月やお盆の帰省と同じような感じでしょうか。
ハリラヤ・プアサはいつ祝われるの?
ハリラヤ・プアサは、イスラム暦のシャウワール (Shawwal / Syw) の月に祝われます。マレーシアではシャウワールの月の1, 2日が国民の休日として設定されています。
イスラム暦にはうるう月がないため、私たちが使うカレンダーでは毎年約11日ほど前倒しに祝われることになります。
ハリラヤ・プアサではどんな行事が行われるの?
ハリラヤの2日前ごろに、イスラム教指導者による新月の観測とハリラヤ宣言が行われます。新月をもってシャウワールの月が始まりますので、この新月観測はとても大切な行事です。
ハリラヤ・プアサ当日の朝、身を清めて新調した服を着てモスクで特別な礼拝を行います。礼拝を終えると、断食明けの最初の日中の食事を家族や友達といただきます。
ハリラヤの期間中は、両親や親戚を訪問したり、お墓参りをしたり、オープンハウスに参加したりなど、いろんな行事が計画されます。
ハリラヤおめでとう!という場合には “Selamat Hari Raya” や “Selamat Hari Raya Aidilfitri” と行ったりします。
またハリラヤでは、1年間の自分の悪い行いに対する許しをお互いに求め合うという、大切な習慣があります。そのため “Maaf zahir dan batin.” という表現もよく耳にします。
お店などのお会計時にも、店員さんとお客さんがそれぞれマレー人の場合は、“Selamat Hari Raya Aidilfitri. Maaf zahir dan batin.” と、後ろに並んでる自分からすれば、そこそこ長めのあいさつを交わしていることもあります。
ハリラヤは学校や企業がお休みになる帰省シーズンです。ハリラヤの数日前から帰省ラッシュが始まります。高速道路の下り線の渋滞が始まり、都市部では車の量が少なくなってきます。
マレー語で「Balik (バレッ)」は「帰る」、「Kampung (カンポン)」は「田舎・故郷」という意味です。日本人でも帰国するときには “Balik Kampung” と言うこともできます。
どの民族でもお正月などの特別なお祭りの時には親戚一同が会してご馳走を囲んで再開するのは、ハリラヤの時も同じです。
マレーシアのマレー人の家は一目でわかることが多いです。と言うのも、玄関先に黄色や緑などの電球がずらっと設置されています。
普段はそうしたカラフルな電球を点灯することはないんですが、ハリラヤの時はお祭りですので点灯されます。ピカピカ点滅したり、モスクの形に電球を並べて点灯させたりと、マレー人の多い住宅街や都市部などでは、とても賑やかな街並みになります。
ハリラヤのお祝い用に新調した衣装をバジュ・ラヤと言います。「バジュ (Baju)」はマレー語で「服」と言う意味ですから、ハリラヤ用の服という意味です。
男性はバジュ・ムラユという、カラフルな生地のゆったりとした衣装を着用します。また女性はバジュ・クルンという伝統衣装を着用します。
家族で色合いを揃えたり、母と娘でトドゥン(スカーフ)の色を揃えたりすることもあります。
街中では、テッカテカの記事のバジュラヤを着た若い男の子たちがバイクを乗り回してイキっていることも。
ハリラヤの時期には親族や友人がそれぞれの家を訪問します。そんな時に振る舞われるのがクエ・ラヤです。「クエ」はマレー語で「お菓子」という意味です。たくさんの種類の手作りのクッキーや一口ケーキを準備し、小分けにして応接間に置いておきます。
みんなでお茶を飲みながらクエラヤをつまむのが、おもてなしの1つとなっています。いろんな種類のマレーシアならではのお菓子を楽しむことができます。
ドゥイッ・ラヤとは、いわゆるハリラヤの時のお年玉。年上の人が自分の家を訪ねてきた親戚や近所の子供達に、少額のお金をポチ袋に入れて渡します。
イスラム教といえば「緑色」なので、ポチ袋の色も深い緑色であることが多いかも。
ハリラヤ前になると、スーパーや飲食店などの粗品としてドゥイッ・ラヤのポチ袋を配布するお店も多くなります。
クトゥパッとは、ハリラヤの時には欠かせない餅米をヤシの葉でくるんで蒸した「ちまき」の様な食べ物です。ハリラヤに向けてたくさんダイヤモンド型のクトゥパッを作っておきます。
ハリラヤ・プアサと関係の深い他の休日
ジョホール州、ケダ州、マラッカ州では、ハリラヤの前の月ラマダン(断食月)の開始を告げる日が休日となります。この日からハリラヤの前日までは、イスラム教徒は宗教的な断食を守り、日中の飲食は行いません。
みいつの夜は、ムハンマドが神様から最初の啓示を受けたとされる日とされています。ジョホール、マラッカ、九州、ケダ、サラワク、サバを除く州で、イスラム暦のRamadanの月の17日に祝われます。
みいつの夜を過ぎた頃から、ハリラヤムードが高まり始め、街中にはハリラヤソングや飾り付けが盛大に行われるようになります。
ハリラヤ時期の注意点
日本でのお正月やお盆のように、マレー人にとって一番の大型連休となります。みなさん帰省するので、マレー系の店がお休みになります。ハリラヤの数日前から帰省ラッシュが始まり、ハリラヤの終わりにはUターンラッシュが起こります。
こうした人々の動きで、飛行機、バス、ホテルの予約が取りにくくなったり、値段が高くなったりします。この時期にマレーシア旅行を計画される場合には十分お気をつけください。