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海外旅行の心配の一つは、外食時の衛生基準ではないでしょうか。
日本ほどきれいな国はないと言われるほど恵まれた環境で育っている私たちにとって、一歩海外に出ると衛生面での様々な危険が存在します。
いわゆる免疫がない、ということですね。
では、マレーシアの衛生基準はどうでしょうか。
マレーシア在住歴の長い著者の経験から、マレーシアの食事・衛生面での不安な点、そして旅行の際にできる対策をお伝えしたいと思います。
飲料水の安全性
個人的には、マレーシアの水道水は信頼していません。蛇口をひねった水をそのまま飲むということは考えられません。
マレーシアではそれぞれの州にある水道会社が管理していて、上水道・下水道のシステムが存在します。
そのためある程度の水の品質管理はなされています。
ですが、時々水源が汚染されて、きれいにするために「断水」となることがマレーシアでは頻繁にあります。
地元の方は小さい時からマレーシアの水で育っておられるわけで、少々のことでは体調を崩されないかもしれません。
でも免疫のない私たち日本人にとっては、やはり水の質には気をつけるに越したことはないかなと思います。
うーん、マレーシアに帰ってきた途端にお腹がゆるい…
— ひろ@駐夫inマレーシア🇲🇾 (@HChuotto) August 25, 2019
でもこっちに帰ってきて、スパイシーなものとか食べてないし、気を使ってるんだけど💦
原因は1つしか思いつかない。水。一応浄水器かけたものを沸騰させて飲み水にしてるんだけど、元々が硬水だから相性悪いとか?😅#異国はつらいよ
関連記事:マレーシアの水道水は飲める?マレーシアの飲料水事情とおすすめの対策
屋台の実情
屋台は、基本衛生基準が低いと思います。思います、と書いたのは、お店によって基準が異なるからです。
屋台のお店でもかなり衛生には気を使って、生物は氷を入れたクーラーボックスに保存していたり、料理の材料は虫が入らないように工夫しているお店もあります。
とはいえ、やはり屋台には屋台の限界が。まず、使える水が限られている場合が多いこと、作り手と会計をする人が同じでお金を扱った手でそのまま料理をしてしまうことなどが起きます。
またクーラーのない暑い場所での営業で料理人が汗だくになって調理するため料理に汗が入らないか心配ですし、何時間も暑い中放置されている麺や野菜、シーフードを使った料理は細菌などの心配も。
その上に、屋台が出店しているような夜市では多くの人や車バイクが往来する場所での出店が多いため空気が汚れていることが考えられます。
また野犬や野良猫がおこぼれをもらいに屋台街に集まってくることが多いので、当然衛生状態も悪い。
こんな感じでマレーシアでの屋台での食事は結構初心者には難易度が高めかと思います。
個人的には普通に屋台で食事していますが、慣れているとはいえ時々漂ってくるドブの臭いや所構わず散らばっているゴミ類にうんざりすることがあります。
とはいえ、慣れている人にとってはマレーシアの屋台はそれほど怖いものではないのも事実。
マレーシアのローカルや屋台のジュース飲めます🍹🇲🇾
— いつか/マレーシア同棲生活🇲🇾 (@video_by_itsuka) January 26, 2020
水や氷さえ食あたりするってイメージで一切口にしてこなかったけどフルーツジュースやシェイク、屋台のタピオカ、今のところ何も問題ありません。
もちろん自己責任にはなりますが衛生管理法が厳罰な国なので必要以上に警戒しなくても大丈夫です🙆♀️
水や氷、屋台で売っている食べ物も、経験値でしっかり選べば、ある程度の危険は回避できると思いますよ。
寄生虫の危険も?!
日本では過去の話という感が強い寄生虫問題ですが、ここマレーシアでは現在進行中。
現地の人たちは一年に一度は「虫下し」を必ず飲んでいるそうですよ。つまり、どこから寄生虫が入り込んでくるかわからないから、念のために薬を飲んでおこう、ということですね。
日本なら考えられないことですが、マレーシアでは寄生虫の感染は今でも多くみられる疾患です。
マレーシアでよくみられる寄生虫は「人回虫」と呼ばれ、ミミズに似た体型をしています。
このような寄生虫に感染した生野菜などを食べると人の体内に入り、体調を悪化させたり下痢・腹痛・頭痛・めまいなど様々な症状を引き起こすと言われています。
旅行前の準備
では、マレーシアに旅行する前に、どんな準備をしておくといいのでしょうか?いくつかの有効な予防手段を書いていきたいと思います。
マレーシアでの食事を通してかかる可能性のあるA型肝炎、腸チフスといった病気は予防注射で感染を予防することができます。
特に長期でマレーシア・東南アジア旅行する予定の方は受けておくと安心ですね。
普段なら体内の免疫機能でかからない病気も、海外旅行で疲れがたまると免疫が下がって罹患してしまう可能性があります。
そのため、海外旅行の前は十分に睡眠をとり、体調を万全に整えた状態にしておくことが大切です。
また、マレーシア旅行の途中も予定を詰め込みすぎず、ホテルでしっかりと休みを取るようにしてくださいね。
食中毒から体を守るといえば乳酸菌ですね。乳酸菌をしっかり取っていれば、腸内環境を整えてくれるだけでなく免疫機能まで高まるということです。
というわけで、私も帰国の際には日本のかかりつけ医にお願いして、毎回整腸剤を多めに持って帰るようにしています。
普段からお腹の状態を整えておく、これも予防の一つです。
ちなみに、アマゾンなどで購入可能な第一三共の「パンラクミン錠」がおすすめされていました。
「2002年の日本旅行医学会の立ち上げの頃、いろいろな乳酸菌整腸剤を買って試したところ、消化酵素剤が入った『パンラクミン錠』(第一三共ヘルスケア)の有用性が確認できたため、私はこの乳酸菌整腸剤を予防的に飲むことを勧めていますが、それ以降に発売されたものもあると思うので、他にも有用なものはあるかもしれません」(篠塚院長)
日経GoodDay
いざというときのために、下痢止めも大切です。マレーシアにも売っていますが、やはり慣れた日本のお薬の方が安心ですよね。
食中毒の場合、下手に止めてしまうと体によくないと言われますが、たとえば旅行中バスや飛行機の移動中などどうしてもトイレにいけるタイミングが限られるような場面では、下痢止めが役立ちます。
現地での対策
まず、水はペットボトルの水を買って持ち歩くことをおすすめします。
レストランや飲食店では大抵ペットボトルの水も売っていますので、「air botol(アイボトル)」と頼めばペットボトルの水を持ってきてくれるはずです。
もしくは、コカコーラやハンドレットプラス(100plus)など缶に入ったジュースも比較的安全だと思いますので、そうしたドリンクを注文することができます。
缶ジュースの場合、お店の人が気を利かせて氷入りのグラスを添えてくれる場合が多いです。
その場合は氷が汚染されていることも考えて、できれば缶にストローをさしてそのまま缶から飲むほうが安心ですね。
肉類魚類のナマ食を避けるのはもちろんのこと、生の野菜、カットフルーツなどにも気をつけるようにします。
マレーシアでは結構料理にレタス・きゅうりなどの生野菜が添えられていることがありますので、十分に注意してください。
また、肉などは中心部まで加熱されていることを確認して食べることをおすすめします。
特に子供さんがおられる場合、料理を手で触ってしまったり汚い手を口に入れてしまう可能性があります。
日本にいるときよりもさらに手洗いを徹底するようにしてください。
また汚れているスプーンは交換してもらう、口に入れる前に殺菌効果のあるウェットティッシュで拭くなどの対策もおすすめです。
マレーシアは海に囲まれた国で、多くの種類の貝、カニ、エビなどのシーフードが普通に食べられています。ですが、実はこうしたシーフードはA型肝炎の感染源となることが。
食事が安いマレーシアではシーフードも安く食べれると観光客にも人気ですが、体調が心配な方は避けるほうがいいかもしれません。
マレーシアは熱帯の国で湿度も高く、常に食中毒の危険と隣り合わせ。
その割には作り置き食品を販売するお店が多く、調理後長時間放置された食品を口にすることで食中毒になる可能性があります。
基本は注文してから料理するような「熱々フード」を選ぶことが大切ですが、もし万が一運ばれてきた料理の見た目がおかしい、変な臭いがする、口に入れたら腐っている味がしたなど異変を感じたら、迷わずに残すようにしてください。
腐っている料理を食べても「海外だから料理の味が違うのかな?」なんて呑気なことを言っていたら後で大変な目にあいます。海外で体調不良になったら最悪ですよね。
もし腹痛に見舞われたら?
では、現地で急に腹痛に見舞われた場合にはどうしたらいいのでしょうか?現地でできる対策を上げていきたいと思います。
マレーシアで食中毒のときに一般的に飲まれている薬は「charcoal(炭)」です。まさに真っ黒な墨色の薬ですが、食中毒=チャコールというほどマレーシア人のおすすめ。
もし自力で薬局まで買いに行けない場合は、ホテルのスタッフにチップを渡して買ってきてもらえないかお願いする方法もあります。
マレーシアでは困っている人を助けるのが美徳とされているので、誰かが助けてくれると思います。一度ダメ元で聞いてみてください。
※ただし、犯罪に対する注意も必要。誰にでも声をかけないように注意してください。あくまでホテル関係者など素性がわかっている相手が安心かと思います。
ちなみにもし近くの薬局なら使い走りのチップは10リンギットくらいで十分かなと思います。あくまで個人的な意見ですが。
ひどい下痢や嘔吐が続く場合には、病院にいって診察してもらうのがおすすめです。
マレーシアには国立の病院と私立の病院がありますが、国立の病院は長い時間待たされることもありますので、旅行中なら身近な場所にある街中のクリニックを探されることをおすすめします。
ホテルに宿泊の場合はコンシェルジュかフロントスタッフに腹痛であることを伝え、おすすめの病院を紹介してもらうのもいいかもしれません。
以前体調不良でクリニックにかかった際、問診と薬数日分で60リンギット(約 2,039 円)ほどでした。
保険が効かなくても意外と安くてびっくりでしたね。
日本でも最近は浸透してきた経口補水液。マレーシアでも薬局などで手に入れることができます。
また、病院でも粉末タイプの水に溶かして飲むORSがありますので、処方してくれるよう医師にお願いしてみてください。
もし手に入れるのが難しい場合はスポーツドリンク系飲料、インスタントの味噌汁などでも代用できるようです。
マレーシアでもペットボトル入りのポカリスエットが売っている店がありますし、マレーシア産だと「100plus」という飲み物ならどこのお店でも置いていると思います。
炭酸入りですが、胸がスッとしておすすめです。糖分が気になる方は水で倍に薄めて飲むのがおすすめです。
マレーシアの商品が不安な方は、日本から準備してこられる方がいいかもしれません。日本から持ってくる場合は、経口補水液粉末タイプがおすすめです。
衛生状態の不安なお店で食べた場合は、帰国後でもいいので虫下しの薬(駆虫薬)を服用しておくと安心です。
マレーシアで購入する場合は、薬剤師のいる町の薬局、ドラッグストアなどで販売しています。
有名な薬は「ZENTEL善得」という名前です。マレーシアの有名通販「ラザダ」でも売っています。→ZENTELをラザダでチェックする
関連記事:マレーシアでおすすめの通販「ラザダ(LAZADA)」
さいごに
マレーシアの飲食店の衛生事情、気をつけるべきポイントと対策についてお伝えしましたが、いかがでしたか?
参考になりそうな情報はありましたか?
海外旅行での体調不良は本当に辛いです。ましてや病院や薬局の勝手も分からず、日本語も通じない中での戦いは厳しいものがあります。
できることなら滞在中元気に過ごし、マレーシアの食事や観光を思いっきり楽しみたいですよね。
どれだけ気をつけていても完全には避けられない海外での病気ですが、正しい知識を勉強し、衛生面で気をつけて過ごせばある程度の対策にはなると思います。
最後に在マレーシア日本国大使館が発行しているマレーシアの衛生状況についてのリンクを貼っておきますので、出発前にぜひ読まれることをおすすめします。