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マレー語の助動詞 (Kata Bantu)

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マレー語の助動詞

マレー語の助動詞は Kata Bantu と言い、直訳すると単に「助詞」という意味です。なので、マレー語では、英語のように動詞とだけくっつく言葉ではありません。

マレー語では、主語と述語 (述部) の間に割り込んで、時間の情報、許可、義務、可能といった意味を追加するための言葉です。何よりも大事なのは、話し手は助動詞を使うことで、自分の気持ちや考えをはっきりと伝えることができます。そう、強い結びつきを持っている主語と述語に割り込んででも伝えたい気持ちがあるんです。

マレー語には時制がない

マレー語の文法には動詞の時制による変化はありません。なので、次の1つの文で、過去も現在も未来も表せます。文脈や時間を表す言葉で聞き手が判断します。
(例) Saya makan durian.
→ 過去:私はドリアンを食べました。
→ 現在:私はドリアンを食べています。
→ 未来:私はドリアンを食べます。
つまり、マレー語では通常、時間のことをはっきり言う必要も、伝えたいという気持ちもないということなんです。
でも、時には時間のことを強調して自分の気持ちを表したいこともあります。その時に使うのが、以下に説明する「時間を表す助動詞」です。時間枠を伝えることでどんな気持ちを伝えたいのかに注目して助動詞を勉強してみましょう😊

時間を表す助動詞 (過去)

pernah (やったことがある!)

経験を表す助動詞で、ちょっとドヤ顔しながら「やったことがあるんだぜ」という気持ちを表現できます。

  1. Saya pernah makan durian.
    私はドリアンを食べたことがあります
  2. Dia pernah memikirkan hal ini.
    彼はこのことを考えたことがあります

telah (すでに終わりました)

完了を表す助動詞で、完了してからちょっと時間が経っている気持ちが含まれることも。また、書き言葉でよく使われ、話し言葉では次の “sudah” がよく使われます。

  1. Saya telah makan durian.
    私はすでにドリアンを食べ終わりました。
  2. Dia telah memikirkan hal ini.
    彼はこのことをすでに考えました。

sudah (もう終わった!)

こちらも完了を表す助動詞で、話し言葉でよく使われる傾向がありますが、「もう終わった (完了した)」という気持ちを表します。短縮して “dah” と言うこともあります。ちなみに “sudah” の反対は “belum (まだ)” と言います。

  1. Saya sudah makan durian.
    私はもうドリアンを食べ終わりました。
  2. Dia sudah memikirkan hal ini.
    彼はこのことをもう考え終わりました。

baru (やっと終わった!)

こちらも完了を表す助動詞ですが、「たった今終わった」という気持ちが含まれます。ここから「やっと終わった」という気持ちが含まれることも。

  1. Saya baru makan durian.
    私はドリアンをやっと食べ終わりました。
  2. Dia baru memikirkan hal ini.
    彼はこのことをたった今考えたところです。

時間を表す助動詞 (現在)

sedang (今やってるところ!)

現在進行中を表す助動詞です。「今、動作の真っ最中ですよ!(忙しい、忙しい!)」というような気持ちを伝えることができます。

  1. Saya sedang makan durian.
    私はドリアンを食べているところです。
  2. Dia sedang memikirkan hal ini.
    彼はこのことを考えているところです。

masih (まだ続いてる…)

これも現在進行中を表す助動詞ですが、こちらは「まだやってる (なかなか終わらない…)」っていう気持ちを伝えたいときに使います。

  1. Saya masih makan durian.
    私はドリアンをまだ食べています。
    * なかなか食べ終わらないって、ドリアンが好きじゃないんですね…。
  2. Dia masih memikirkan hal ini.
    彼はこのことをまだ考えています。
    * 相当悩んでいるようです…。

mula (始めたところ!)

これも動作途中ですが、「たった今始めたところ」感が強い助動詞です。

  1. Saya mula makan durian.
    私はドリアンを食べ始めました。
  2. Dia mula memikirkan hal ini.
    彼はこのことを考え始めました。

時間を表す助動詞 (未来)

akan (絶対にするぞ!絶対にそうなるぞ!)

未来のことを表す助動詞ですが、その背後には強い意志や、確実性がにじみ出ています。なので、英語の will の感覚で akan を多用していると、「この人、とっても暑苦しい人😅」と思われるかもしれません。

  1. Saya akan makan durian.
    私はドリアンを食べる予定です。
    * もう食べる気満々なんです。食べないなんて考えられません
  2. Dia akan memikirkan hal ini.
    彼はこのことを考えるはずです。
    * 彼は考える気満々なようです。または考えないと大変なことになるようです。

belum (まだ始まってもいない…)

未然 (まだ始まっていないこと) を表す助動詞で、「まだ始まっていない」という気持ち、「もう始まっているはずなんだけどな…」のような気持ちを表すこともできます。ちなみに “belum” の反対は “sudah (すでに)” と言います。

  1. Saya belum makan durian.
    私はまだドリアンを食べていません
    *「食べる、食べる」と言いながら、まだ食べていないようです。
  2. Dia belum memikirkan hal ini.
    彼はこのことをまだ考えていません
    * 早く考えてよね😤 (こんな気持ちも表現可能)

助動詞を組み合わせるパターン

幾つかの助動詞に限って、組み合わせて使うことが可能です。それによって、もっと微妙な感覚を伝えることができます。例文の日本語訳からその気持ちを読み取ってみてください。

ここでは、時間を表す助動詞の組み合わせだけを取り上げますが、その後に取り上げる、願い、義務、能力、許可を表す別の助動詞とも組み合わせることができる場合があります。

belum/sudah(telah) + pernah (未経験/経験済み)

  1. Saya belum makan durian. (まだ食べてない)
    Saya belum pernah makan durian. (まだ食べたことがない)
  2. Dia sudah memikirkan hal ini. (もう考えた)
    Dia sudah pernah memikirkan hal ini. (すでに考えたことがある)
    * sudah は telah と置き換えてもOK!!

masih + belum/sedang

  1. Saya belum makan durian. (まだ食べてない)
    Saya masih belum makan durian. (まだ食べてない)
    * もうマレーシアに10年も住んでるのにまだ食べてないの?!
  2. Dia sedang memikirkan hal ini. (今考えているところ)
    Dia masih sedang memikirkan hal ini. (まだずーっと考え中)

baru + sudah

  1. Saya sudah makan durian. (もう食べた)
    Saya baru sudah makan durian. (たった今食べ終わったところ)
    * もうちょっと早く来たら一緒に食べれたのに…
  2. Dia sudah memikirkan hal ini. (もう考えた)
    Dia baru sudah memikirkan hal ini. (たった今考え終わったところ)
    * ずいぶん待ちましたが、たった今結果が出ました!!

願いを表す助動詞

mahu

願望を表す助動詞です。「〜したい」と訳されます。日常会話では “mau” と発音されることがあります。

  1. Saya mahu makan durian.
    私はドリアンを食べたいです
  2. Dia mahu memikirkan hal ini.
    彼はこのことを考えたいと思っています

hendak

願望や意思を表す助動詞で、”mahu” と同じように使えます。「〜したい」や「〜するつもりだ」と訳されます。日常会話では “nak” と短縮されることがあります。

  1. Saya hendak (nak) makan durian.
    私はドリアンを食べたいです
  2. Dia hendak (nak) memikirkan hal ini.
    彼はこのことを考えるつもりです

enggan (絶対ヤダ!)

強い拒否・拒絶を表す助動詞です。何が何でもやりたくない気持ちを表現できます。普通にやりたくないだけの時は、”tidak mahu”、”tak nak” といった否定形を使います。

  1. Saya enggan makan durian.
    私はドリアンを絶対に食べません
    * 断固拒否します!
  2. Dia enggan memikirkan hal ini.
    彼はこのことを考えるつもりはありません
    * がっつり拒否っているようです。

義務を表す助動詞

義務を表す助動詞は4つありますが、上から下へ強制力が弱くなります。

mesti (絶対やらないとダメ!ノーチョイス)

例文: Ali mesti pergi ke sekolah esok.
日本語訳: アリは明日絶対に学校に行かなければならない。

mesti は、義務や確実性が強い場合に使われます。例文では、アリは絶対に学校に行く必要があることを示しています。

harus (やるべき。やる義務がある。責任感)

例文: Kita harus menjaga kebersihan diri.
日本語訳: 私たちは清潔さを保つ必要がある。

harus は mesti よりも義務感が弱く、やるべきことを示します。例文では、自分の清潔さを保つことは自分達の責任であることを示しています。

patut (やるのが適切。ふさわしい)

例文: Kita patut menghormati orang yang lebih tua.
日本語訳: 私たちは年上の人を敬うべきだ (敬うことが道徳的に正しいこと)。

patut は、道徳的な義務や適切さを示す言葉です。例文では、年上の人を敬うことが礼儀正しく、ふさわしいことであることを示しています。

perlu (やる必要がある)

例文: Dia perlu belajar lebih keras untuk lulus ujian.
日本語訳: 彼は試験に合格するためにもっと一生懸命勉強する必要がある。

perlu は、必要性があることを示す言葉です。例文では試験に合格したければ、もっと頑張って勉強する必要があることを示しています。

  1. Saya mesti makan durian. (絶対食べないと!)
    Saya harus makan durian. (食べるべき)
    Saya patut makan durian. (食べないといけない)
    Saya perlu makan durian. (食べておかないと…)
  2. Dia mesti memikirkan hal ini. (考えろ🤨)
    Dia harus memikirkan hal ini. (考えるべき)
    Dia patut memikirkan hal ini. (考えることは適切なこと)
    Dia perlu memikirkan hal ini. (考える必要がある)

能力・許可を表す助動詞

boleh/dapat (できる!やってもいい!)

能力があることや許可が出ていることを表します。「〜できる」と訳されます。Boleh は話し言葉でよく使われる傾向があり、dapat は書き言葉でよく使われる傾向があります。

  1. Saya boleh(dapat) makan durian.
    (能力) 私ドリアンを食べられます
    (許可) 私ドリアンを食べてもよいとのことです。
  2. Dia boleh(dapat) memikirkan hal ini.
    (能力) 彼このことを考えられます
    (許可) 彼このことを考えてもよいようです。

bolehとdapatの違い

ここでは簡単に “boleh” は話し言葉で、”dapat” は書き言葉でよく使われると書きましたが、マレー語の文法的に厳密に定義すると…
Boleh: 許可があることを示すのに適している
Dapat: 能力があることを示すのに適している
となります。でも、あくまで「適している」だけで、別の用途で使ってはいけないわけではないので、Malaysia boleh!! (なんでもOK!!)。

mungkin

可能性を表す助動詞ですが、日本人にとって一番紛らわしい単語です。辞書の意味としては「不可能ではない」「起こり得る」という意味ですが、訳出する場合は「多分〜するかもしれない」にも「絶対〜になるはず」にも、真逆の意味になる可能性があります。でも、日常で mungkin を使うときは「多分…」というニュアンスのことが多い気がします。

  1. Saya mungkin makan durian.
    (絶対) 私はドリアンを必ず食べます
    (多分) 私は多分ドリアンを食べます
  2. Dia mungkin memikirkan hal ini.
    (絶対) 彼はこのことを必ず考えます
    (多分) 彼は多分このことを考えていると思います

まとめ

すべての助動詞を1度に覚えることはできませんし、正確に使うこともできません。でも、助動詞は自分の気分を適切に表す大事な言葉です。逆に間違って使うと、誤解を与えてしまうことがありますので、どんどん使って語感を身につけることを目標にしてみてください。

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