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マレー語の指示代名詞 (Kata Ganti Nama Tunjuk)

マレー語の指示代名詞

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指示代名詞はマレー語で “Kata Ganti Nama Tunjuk” と言います。マレー語の指示代名詞は頻繁に登場し、物や人を指し示すときに使います。日本語の「これ」とか「あれ」に相当する言葉です。

ただし、人を指し示すときには、主に人称代名詞を使います。

また、場所を指し示す代名詞もあり、マレー語で “Kata Ganti Nama Tempat” と呼ばれ、日本語に訳すと「場所代名詞」と言います。日本語の「ここ」「そこ」「あそこ」に相当する言葉です。

ものを指さす ini と itu

マレー語の指示代名詞には、近称「これ」と、遠称「あれ」の 2 種類しかありません。日本語の中間称「それ」は、マレー語の遠称に含まれることがほとんどです。

マレー語の指示代名詞: ini「この」「これ」

マレー語の “ini” は、距離の近い物や人を指して使われます。物理的な距離が近いものだけでなく、心理的に近いものを指すのにも使われます。

ちなみに「今日」は “hari ini”、「今週」は “minggu ini”、「今月」は “bulan ini”、「今年」は “tahun ini” と言います。

マレー語の指示代名詞: itu「その」「それ」「あの」「あれ」

マレー語の “itu” は、距離の遠い物や人を指して使われます。物理的な距離が遠いものだけでなく、心理的に遠いものを指すのにも使われます。日本語の中間称「その/それ」と、遠称「あの/あれ」の両方の意味を含みます。

「心理的に近い・遠い」とは?

たった今、話の中で述べたものを指す場合、心理的に「近い」ととらえて「これ」と言います。
逆に、さっき述べたものを指す場合、または自分の手の中にないものは、心理的に「遠い」ととらえて「それ」と言います。
例) スイーツバイキングで目の前にたくさんケーキがあって…>
Saya suka kue ini yang baru makan tadi, tapi tidak berapa suka kue itu di depan kamu.
たった今食べたこのケーキが好きです。でも、あなたの前にあるケーキはそんなに好みではありません。
※ 友達と同じテーブルを囲んでケーキを食べているので、全部のケーキが目の前にあるんですが、食べた順番、自分と話し相手のどちらに近い場所にあるかといった要素から、心理的な距離が決まります。

場所代名詞 sini、situ、sana

マレー語の場所代名詞は、日本語と同じく、近称「ここ」、中間称「そこ」、遠称「あそこ」の 3 種類あります。方角や場所を指す時に使います。指示代名詞と同じく、物理的および心理的距離感が影響します。

マレー語の場所代名詞: sini「ここ」

マレー語の “sini” は、距離が近い場所または自分の場所を指すのに使います。前置詞 “di” を使うと場所を表し、前置詞 “ke” を使うと方角を表します。

マレー語の場所代名詞: situ「そこ」

マレー語の “situ” は、距離が遠い場所を指すのに使います。聞き手の近くか、話し手からも見えている少し離れた場所を指す時に使われます。前置詞 “di” を使うと場所を表し、前置詞 “ke” を使うと方角を表します。

マレー語の場所代名詞: sana「あそこ」

マレー語の “sana” は、距離が遠い場所を指すのに使います。話し手から見えない場所を指す時に使われます。前置詞 “di” を使うと場所を表し、前置詞 “ke” を使うと方角を表します。

会話の中で、”sana” を「さ〜な」と少しのばして言うと、とても遠いところを指すことになります。

Sana にまつわる本当に起こった話

ある昼下がり、ある外国人が、ある村を訪れました。その外国人は、留守番をしていた男の子に「君のおとうさんはどこにいるの?」と、質問しました。その男の子は、一方を指さして、”Sa~na (さ〜な)!” と答えました。
外国人は、男の子の指さした方角へ歩き出しましたが、いくら歩いてもその子の父親は見つかりません。歩き疲れたその外国人は、30 分ほど歩いたところで「あの子に騙されてしまった。どこにもおとうさんはいないじゃないか」と、言いました。
外国人がしばらく休憩していると、さっきの男の子の父親が歩いて近づいてきました。それで、外国人は「あなたの息子に騙されましたよ。彼が指した方向にあなたを探しましたが全然見つからなかったんですから」と言いました。
すると、その父親は「息子は Sa~na と言っただろう?私は確かにあの子が指す方角から来たんだ。ただし、山の向こうからだがね」と言いました。
※ マレーシアから北東の方角を指さして “Sa~na” というと、日本でさえ指せてしまう位の距離感を含む場合があることにご注意を…。

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