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2020/6/26 マレーシアでマラリアの症例が確認される

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マレーシアの保健省から、マレーシア国内で発生したマラリアの症例についての報告が発表されました (マレー語の原文はこちら)。要点を以下にまとめます。

もくじ

報告書本文

スランゴール州のHulu Langat地区の保健所は、2020年5月20日にアンパン病院でマラリアの患者が1名発生したとの報告を受けました。患者はバングラデシュ人で、スランゴール州の高速道路の建設現場の労働者でした。

当地区の保健所は、患者の発生した建設現場とその付近の住宅地での調査を行い、これまでに3,017名が血液検査を受けました。その結果、10名の外国人がマラリアに感染していることが判明しました。さらに、近隣の医療機関を受診した患者のうち、2名の外国人と、1名のマレーシア人のマラリアへの感染が判明し、合計14名の感染が確定しています(内訳は、インドネシア人9名、バングラデシュ人3名、ネパール人1名、マレーシア人1名)。全患者は病院で治療を受け、その後全員回復しています。

今回のマラリアの感染は、工事現場で働いていた1人のインドネシア人が感染源と考えられています。このインドネシア人は、インドネシアのアチェでマラリアに感染し、その後マレーシアの高速道路の工事現場の作業員と、その付近の住民に感染が拡大したと考えられています。最後の患者は2020年6月12日に報告されましたが、現在はマラリアの感染は抑えられたと考えられています。

予防と感染への対策として、Hulu Langat保健所では、すべての労働者の宿舎(193軒)で農薬散布を実施し、住民に対して340枚の蚊帳を配布しました。さらに、建設現場付近で蚊の幼虫が発見された貯水池への殺虫剤の散布も行いました。こうしたマラリア対策は近隣の住宅地でも実施され、住民に対するマラリア感染の予防方法の健康指導も実施されています。

マレーシア保健省は、高速道路建設プロジェクト管理者と協議を行い、感染の制御アクティビティの実施について話し合いました。また1988年に施行された「感染症の予防および管理法 (342法)」および1975年に施行された「感染症を媒介する生物の駆除法 (154法)」に基づく対策も行われました。

マレーシア保健省では、対象地域の個人とコミュニティーに対して、マラリアの感染リスクを減らすために以下のような対処法を講じるようにと指導しています。

  1. 夜間の屋外での活動を避ける
  2. 蚊に刺されることを防ぐため、屋外では長袖のシャツや長ズボンを着用する
  3. 発熱、悪寒を感じた場合はすぐに医療機関を受診する

(おしまい)

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