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マレーシアでの運転は、日本人にとって馴染みやすい点もある一方で、予想外の危険も潜んでいます。ここでは、マレーシアで安全に運転するために知っておくべき重要なポイントを詳しく解説します。
1. 合流時の運転スタイルはどう違いますか?
日本での運転に慣れた人にとって、マレーシアのドライバーの合流方法を初めて体感した時にショックを受ける方も多いようです。
「スローイン・ファーストアウト」という日本の常識は、ここでは通用しません。代わりに、「ファーストイン・スローアウト」が一般的です。ものすごく勢いよく本線に合流して来たと思ったら、その後ノロノロ運転…。ヒヤッとする瞬間です。
マレーシア人から聞いたことがありますが、マレーシアでは、本線の車が自分のために止まってくれるだろうという前提で行動する人が多いとか。
本線の車が急ブレーキをかければ自分の車にぶつかることはないと判断したら、スピードの差や車間距離を考慮せずに合流してきます。このため、本線を走る時には、常に周囲の車の動きに注意を払い、急な割り込みに備える必要があります。
特に高速道路での合流は要注意です。合流レーンを走る車が突然本線に飛び出してくることがあるので、合流地点に近づいたら速度を落とし、いつでも急ブレーキがかけられるよう準備しておくことが大切です。
2. マレーシアでチャイルドシートは必要?
マレーシアでは長らく、チャイルドシートの使用が一般的ではありませんでした。子供たちがシートベルトを着用せずに車内を動き回ったり、親が赤ちゃんを抱いたまま助手席に座ったりする光景は珍しくありません。また、大家族のため、定員オーバーで乗車することも多々あります。
しかし、2020年1月1日からチャイルドシート着用が義務化されました。この新しい規制により、状況は徐々に改善されつつあります。ただし、まだ完全には浸透していないのが現状です。
旅行者やマレーシアに長期滞在する方は、自分の子供のためにチャイルドシートを用意することをお勧めします。
他の車両との事故リスクを考慮し、十分な車間距離を保つことが重要です。特に子供を乗せた車を見かけた際は、急な動きに備えて注意して運転しましょう。
3. マレーシアのバイクって結構すごいって聞いたんですが、それって本当?
マレーシアの道路では、バイクの存在が大きな危険要因となっています。交通事故死の半数以上がバイク関連という驚くべき統計もあります。
特に注意すべきは若い男性のバイク運転者です。彼らは高速で車の間をすり抜けたり、信号を無視したりすることがよくあります。また、ヘルメット未着用や複数人乗り (もちろん定員オーバー) も珍しくありません。
最近ではGrabフードやフードパンダといったフードデリバリーのバイクが我先にと大通りを駆け回っています。
バイクは予期せぬ場所から現れることがありますので注意しましょう。例えば、渋滞時に路肩を堂々と逆走してくるバイクもいます。
また、雨天時には高架下や橋の下に多くのバイクが避難するので、これらの場所を通過する際は特に注意が必要です。
車を運転する際は、常にミラーとサイドミラーを確認し、バイクの存在に気を配りましょう。特に車線変更や右左折の際は、死角に入っているバイクがいないか十分に確認することが重要です。
4. 予測不能な天候変化にどう対応すべきか?
マレーシアの気候は非常に変わりやすく、突然のスコール (激しいにわか雨) に見舞われることがよくあります。
スコールが始まると、視界が極端に悪くなります。このため、ワイパーを最大速度にしても前が見えないほどです。
道路には大きな水たまりができるので、隣の車が跳ね上げた雨水を一気に被り、視界ゼロになることも。これ、恐怖です。
さらに、雨天時には多くのバイクに乗った人が高架下や橋の下に避難します。これらの場所では、急に路肩に人や車が集まることがあるので注意が必要です。
大雨の時の運転では、特に以下の点に気をつけましょう:
- 速度を落とし、前の車との車間距離を十分に取る
- ヘッドライトを点灯し、他の車両から自車の存在を認識してもらう (視界がほぼゼロの場合はハザードランプを付けるのも有効)
- 急ブレーキや急ハンドルを避け、スリップに注意する
- 冠水した道路は可能な限り避ける。わだちの大きな水たまりにタイヤが取られないようにハンドルをしっかり持つ
5. 信号と交差点での注意点は?
マレーシアの信号システムは日本とは異なります。交差点では基本的に一方向のみが青信号になり、対向車線を含む他の方向はすべて赤信号になるシステムが採用されています。このため、右折時に対向車を気にする必要が基本的にはありません。
しかし、信号無視をする車両が多いのも事実です。赤信号でも進入してくる車やバイクがいるため、青信号になっても必ず目視で安全確認をする習慣をつけましょう。
また、マレーシアの交差点では以下の点にも注意が必要です:
- 右折専用レーンがない場合でも、無理やり右折する車が多いので追突しないように
- 左折の際も、直進車や右折車に注意が必要。特にバイクの巻き込み事故に注意
- ラウンドアバウト (環状交差点) では中にいる車が優先。出口に近いほど外側の車線、遠いほど内側の車線を走る
6. 道路に突然たくさんの人だかりが。何これ?
あ、それは多分事故の野次馬です。日本でも交通事故が起こるとわき見渋滞が発生することがありますが、ここマレーシアでは、やじ馬たちの好奇心は凄まじいです。
わざわざバイクや車を道端に止めてまで事故にやじ馬がたかってきます。
事故が最終的に解決するまで一尾始終を皆で観察して、携帯で写真を撮ったり、友達に知らせたりと大忙し。
また、レッカー業者や自動車修理工場の人たちがお客を確保するために集まっていることも。
現場に近づくために、ハイウェーを平気で人が横断することもあるので事故現場を通過するときは十分注意してください。
7. 大型連休中のドライブで注意することとは?
お祭りシーズン中の大型連休 (ハリラヤ、チャイニーズ・ニューイヤー、ディパバリなど) には、帰省ラッシュが発生します。日本の大型連休の交通事情と似ていますね。
最近では政府がこうした帰省シーズンに高速道路を無料化したりするおかげで、交通量が爆上がりしています。
お祭り前は都市部から地方方面が、Uターンラッシュでは都市部行きの高速道路が相当渋滞します。
逆に言うと、お祭り期間中には都市内の道路は空いていることもあるので、大都市観光がぴったりかもですね。
お祭りの時期には、気分が大きくなった陽気なドライバー、不慣れな土地を運転するドライバー、さらには飲酒運転のドライバーも多くなりますので、運転の際はくれぐれも注意してください。
8. 道路に黄色いかまぼこが?
それ、道路上の速度抑制用のハンプまたはボンゴルと呼ばれるボッコリです。住宅街や学校の前などで車のスピードを落とさせるための物理的な対策です。
低速で通過しないと、車を痛めたり、車のお腹を擦ったりしますので、慌てずゆっくり通過してください。
基本ハンプの前には警告標識が立っています。またハンプ自体が黄色でペイントされています。
ですが、肝心のペイントがはげていたり、夜間は全然見えなかったり、ひどい場合は標識に広告が貼り付けられて見えなかったりすることがあるので、十分に注意するようにしてくださいね。
9. 路上駐車と放置車両にどう対処すべきか?
マレーシアでは路上駐車が非常に一般的です。日差しが強いため、目的地のできるだけ近くに駐車しようとする傾向があります。
このため、見通しの悪いカーブや交差点の角など、法律上駐停車禁止場所に駐車している車両をよく見かけます。
二重駐車や車列から車を突き出して停めるなど、他の車の通行を妨げるような駐車も珍しくありません。
さらに、故障して放置された車両も多く見られます。路肩に車が止まっていて、その車の後ろに葉のついた木の枝た乗せてあれば、それ故障車です。
運転中は、常に前方に注意を払い、突然現れる障害物への心構えを。路上駐車の多い狭い道では徐行し、駐車車両の陰から飛び出してくる人や車に警戒してください。
標識が不十分なことがあります。常に路面状況に注意を払い、必要に応じて減速することが大切です。
10. マレーシアでの運転中の携帯電話の使用ってどんなルール?
マレーシアでは、運転中の携帯電話の使用は禁止されています。携帯電話を運転中に手に持つこと自体や操作することが違反となります。
最近ではAI交通違反監視システムが導入されている場所もあるとかで、携帯電話の使用も摘発しやすくなるのではという憶測も流れています。
それでも日本と比べると、取り締まりが徹底されていないからか、まだまだスマホを使用しながら走るドライバーが多いのも事実。
最近ではGrabなどの配車アプリのドライバーが次のお客さんとやりとりしていたり、Whatsappなどのボイスメッセージを吹き込んでいる人もいたりということも。
注意が散漫になるというレベルを超えて、しれーーーっと車線をはみ出してきたり、急にスピードが40km/hくらいに落ちたり (制限速度90km/hの道路でも) と、危険運転をしている人がいますので注意してください。
11. マレーシア特有の「あおり運転」とは?
最近では日本でも悪質なあおり運転が増えてきましたが、マレーシアでのあおり運転は少し質が異なるように感じます。
マレーシアでのあおり運転では、車間距離を詰めて後ろからプレッシャーをかけてきたり、横から幅寄せしてきたり、数車線跨ぐために強引に割り込んできたり、ながーーいクラクションを鳴らしてきたりなどが含まれます。
これらの行動は、必ずしも悪意からではなく、むしろ「自己主張」の一種と捉えられているようです。
あおり運転に遭遇しても、冷静に安全な場所で道を譲ること、あまりにも悪質な場合は警察に通報するなどの対処が可能です。
最近ではドラレコが搭載された車も多く、悪質なあおり運転の動画がSNSで投稿され、それをきっかけに警察が検挙に動くなんてことも増えてきました。
自分の車にもドラレコを搭載しておくと、事故に巻き込まれた時に自分を守ることができます。
最後に
マレーシアでの運転は、日本と同じ右ハンドル・左側通行であるため、基本的な操作に慣れるのは比較的馴染みやすいです。でも、これまでに触れたような独特の交通文化があるため、十分な注意と心構えが必要です。
常に周囲の状況に気を配り、柔軟に対応することが重要です。身を守る運転を心がけ、他のドライバーの予測不可能な行動にも対応できるよう準備しておきましょう。
慣れない環境での運転は緊張するものですが、これらの注意点を念頭に置いて運転すれば、マレーシアでの運転も楽しい経験になるはずです。安全運転を心がけ、マレーシアの美しい景色や豊かな文化を存分に楽しんでください。