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この記事では、長期リモートワーカー、ノマドワーカーに対してビザを発行している国をリストアップしてみました。
ご紹介するビザプログラムの中には、コロナ禍以前にすでに存在していたものもあれば、新たに最近ビザ枠を設けたものもあります。
国によっては、コンセプトが新しすぎて当局がまだどう対処していいかわからない、プロセスが非常に複雑で分かりにくい、あるいは枠組みだけ作ったもののまだしっかりと確立されていない、という場合もあります。
最新情報に関しては各国当局、もしくは信頼できるソースからの情報を確認されるようにおすすめします。
ノマド (nomad) って何?
「ノマド (nomad)」とは、英語で「遊牧民」という意味です。羊などの家畜を放牧しながら移動する遊牧民のように、特定の職場を持たずに仕事をする人のことを指します。
ノマドワーカーの厳密な定義はありませんが、一般的には旅先でのリモートワークで生計を立てている人をノマドワーカーと呼びます。
また、雇われているかどうかに関わりなく、「ワークスタイル」にフォーカスした呼び方と言えるでしょう。海外では「Digital Nomad」とも呼ばれ、主にIT業界の人が行っているワークスタイルを指しています。
基本的にネット環境さえあればどこでも仕事ができるので、ポケットwifiやスマホのテザリング機能が使える条件下なら住む場所を選びません。
フリーランスとは、会社や組織に属さず、プロジェクト単位で会社や個人と契約して仕事する人のことです。
フリーランサーが活躍する業界は、専門・技術サービス、情報・通信、デザイン、出版が多く、職種では、ITエンジニア、デザイナー、ライター・ジャーナリスト、建築デザイナーなどがあります。
フリーランスは、会社員のように労働時間が決まっているわけではありません。自分で労働時間を決められるのがフリーランスの特徴です。
フリーランスの定義はないので、会社や組織の社員でない人は、自らを名乗った瞬間にフリーランスとなります。
フリーランスとノマドワーカーはほぼ同じ意味だと思われることがありますが、働き方の定義が異なります。フリーランスは「契約社員」の一種と言えるでしょう。
個人事業主のため、会社に雇用されることはありませんが、仕事の内容によっては、クライアントのオフィスに常駐したり、クライアントのオフィスに出向いたりすることもあり、働く場所が限定されることもあります。
一方、ノマドワーカーは、「働く場所」「働き方」に捕らわれない働き方の代表格です。コロナ禍でリモートワークが浸透しつつあることから、会社に所属していても、自宅やカフェで仕事をすることが可能になりました。
つまり、会社に雇用されていても、働く場所を自由に選べるのであれば、ノマドワーカーと言えるでしょう。その視点で考えるなら、フリーランサーがノマドワーカーとして働くのもちろんあり得ます。
働く場所を限定されないフリーランスのWebエンジニア、Webデザイナー、Webライターの多くがノマドワーカーという働き方を選択しています。
ノマドビザで海外移住?
基本的に、日本人が海外で働き、生活するためには、就労ビザが必要です。ただし、海外に拠点を持たない日本企業の場合、居住する国の法律や審査基準によっては、ビザ申請が許可されない場合があります。
また、会社に雇われている訳ではないフリーランスの方は、海外で生活する資金源はあるとしても、適切なビザがないことが問題でした。そのような場合に活用できるのがノマドビザという訳です。
※当記事内ではノマドビザという呼び方をしていますが、国によって該当ビザの呼称は異なることがあります。
パンデミックによるリモートワークが一般化し、今後ノマドワーカーの急増が予想されることから、国境を越えたノマドワークを合法化する国が徐々に増えてきています。
多くの国、特に観光業に依存している国は、コロナウイルスのパンデミックによって経済が大打撃を受けています。そのため、フリーランサーやデジタルノマドのために特別に設けられたビザを利用して、長期滞在者を受け入れることにしています。
また、以前はそれほど一般的ではなかったホームスクールも浸透してきている国が多いため、ノマディックファミリーという考え方も広まってきました。
これまで、ノマドワーカーで海外生活を送っている方は、観光ビザ(マレーシアではビジットパス)で各国を転々とするという生活パターンが多かったことでしょう。
もちろん、就労ビザや配偶者ビザ、その他のビザで正規滞在しているノマドの方もおられるとは思いますが、基本的には観光ビザで短期滞在→許可された日数が終わる前に他国に移動、もしくは帰国することになります。
つまり、いくら気に入ったとしても1つの国に長期間滞在し続けるのが難しいのです。また、短期間で移動を繰り返す生活スタイルでは、車を所有したり賃貸で家を契約したりということもしにくいため、不便、あるいは費用がかさむと感じる方もおられます。
その点、ノマドビザをもっていれば、ビザが失効するまでは無理に移動する必要はありません。また、正規のビザで滞在しているという安心感がありますし、家を借りたり車を購入したりと、より安定した生活が送りやすくなります。
とはいえ、もちろん旅行したければ国内外を問わず自由に移動できますし、ずっとホテル暮らしをするのも自由。つまり、ノマドビザは海外生活の選択肢を広げてくれる頼もしい味方というわけです。
ノマドビザ制度のある国14選
とその前に!実は2022年10月1日より、マレーシアにもデジタルノマドビザ制度が導入されます。申請条件など詳しくは別ページにまとめているので、マレーシアに興味のある方は是非ご覧ください。
それでは、ここからはノマドビザ制度を設けている国をご紹介します。先ほども触れましたが、国によってノマド向けビザ制度の名称は異なります。記事内では便宜上まとめてノマドビザと呼んでいますが、各国それぞれビザの特徴や条件も違いますので、ご留意ください。それでは、早速みていきましょう。
※情報は2022年2月3日現在のものです。最新情報は対象国大使館公式ホームページ等、正確な情報源でご確認ください。
エストニアは、デジタルノマドコミュニティの間では、「e-residency」プログラムでよく知られている国です。デジタルノマドビザを取得することで、リモートワーカーがエストニアで働きながら、旅行もできるようになりました。
申請書は、最寄りのエストニア大使館または領事館に本人が直接提出する必要があります。エストニアのデジタルノマドビザの申請および詳細については、こちらをご覧ください。
- ビザの有効期間は12ヶ月
- 取得費用は滞在予定期間に応じて80~100ユーロ
- 最低月収は3,504ユーロ
ドイツが世界でも有数のデジタルノマド国であることは意外に知られていません。ドイツには「residence permit for self-employment」というビザがあります。一度承認されると、最長3年間ドイツでフリーランスとして働くことができます。
このプログラムは当初フリーランサーのために作られましたが、デジタルノマドにも有効です。とはいえ、ビザの取得にはドイツ語の知識があることが望ましいとされています。
- 健康保険が必須
- 自分でお金を稼ぐことができることを証明するもの
- 税金を納めることが必要
- 3ヶ月のプログラムだが、最長3年まで延長可能
- 申請料として60ユーロが必要
- デジタルノマドは申請時にフリーランスとしての活動事例を提出
- 申請書は、最寄りのドイツ大使館または領事館に直接提出
- 申請には、すでにドイツの宿泊契約を締結していることが必要
申請方法、ドイツの滞在許可証の詳細については、こちらをご覧ください。許可後、ドイツの銀行口座の開設、税務署への登録、ドイツの医療保険への加入が必要です。
ノルウェーは大自然が美しいだけでなく、石油と巨額の政府系ファンドのおかげで裕福な国でもあります。デジタルノマドやリモートワーカーに2年間のビザを取得する機会を提供しています。ただし、ノルウェーは物価が高いので、生活レベルを維持するためにはある程度の収入がないと難しいかもしれません。
- ビザの費用:600ユーロ
- 期間:6ヶ月から3年まで
- 証明すべき収入:35,719ユーロと宿泊施設の証明
ビーチ、マヤ文化、植民地文化、多様な風景、世界に誇るタコスなど、メキシコは旅行者やデジタルノマドに人気のある国です。
その理由のひとつは、6ヶ月の長期観光ビザと物価の安さです。また、1年間の滞在が可能で、その後さらに3年間更新できる「Temporary Resident Visa」もあります。
- 期間:1年、最長4年。
- 証明する収入:月1620ドルまたは銀行残高27,000ドル
- 1年間の銀行取引明細書が必要
メキシコの短期滞在ビザの申請と詳細については、こちらをご覧ください。
ポルトガルには「independent workers and entrepreneurs visa」があり、期間は1年ですが、最長5年まで更新が可能です。5年後には永住権を取得することも可能です。リスボン、ポルト、またはアルガルヴェの美しいビーチで仕事と余暇を同時に楽しむことができます。
- 費用:ビザ代83ユーロ、居住許可証代72ユーロ
- 期間:1年~5年
- 証明すべき収入:月600ユーロ
詳しい情報はこちらをご確認ください。
ドバイは西アジア最大のビジネスハブであり、貿易・観光から航空・金融に至るまで経済が発展し成功を納めています。ドバイは2020年に、わずか287ドルの手数料でデジタルノマドビザ「virtual working programme」を開始しました。
- 12ヶ月のプログラム
- 申請料287USD
- 雇用証明書または事業所有の証明書
- 月収が5,000米ドル以上であること
応募方法、およびドバイでのリモートワークに関する詳細は、こちらをご覧ください。
ギリシャは、文化、食事、太陽が降り注ぐビーチ、たくさんの美しい島々など、観光客を惹きつける魅力がたっぷりの国です。また、インターネットの速度も速く、ヨーロッパでは珍しく物価が安いのも特徴です。
ギリシャには、デジタルノマドを誘致するためのプログラムが2つあります。1つ目のプログラムは、ギリシャに最低2年間滞在することを約束した特定の国籍の人に対し、7年間所得税を50%減額するプログラムです。
2021年10月初旬に正式決定した2つ目のプログラムは、EU/EEA圏外の市民を対象としたギリシャのデジタルノマドビザ「Greece digital nomad visa for non-EU/EEA citizens」です。
これは、外国の雇用者または自分の外国の登録企業のためにギリシャに滞在し、リモートワークを行うことを許可するものです。期間は当初1年間ですが、2回延長して合計3年間とすることができます。
- ビザの費用: €75
- 期間:1年、最長3年まで延長可能
- 証明すべき収入:月3,500ユーロ+配偶者・パートナーは20%、子供一人につき15%
モーリシャスのプレミアムビザは、手数料も収入証明も不要のノマド向けビザ「Premium Visa」です。
- 手数料:無料
- 期間:1年
- 証明すべき収入:所在地に依存しないビジネスを所有しているか、モーリシャス国外の企業でリモートワークをしていること。
詳しい情報はこちらからご確認ください。
アドリア海に面した、暖かい気候で、リラックスした街の雰囲気や美しい建築物が魅力のクロアチア。2021年に、ノマドワーカーが利用できる1年の居住許可「All The Answers to the Croatia Digital Nomad Visa / Temporary Stay Requirements」が新設されました。
- デジタルノマド証明
- 残高証明
- 旅行保険契約書
- 手数料は350クーナ
詳しい情報はこちらからご確認ください。
ヨーロッパとアジアの間に位置するこの小さな国は、デジタルノマドビザプログラムを導入しています。トビリシはデジタルノマドの拠点として栄えており、「Remotely from Georgia」の創設によりノマドワーカーが最低でも6カ月、最長で1年間滞在できるようになります。申請資格のある国は95カ国です。
- ジョージア国外の企業で働いていること
- 月給2000ドル以上(グルジアの平均月給は400ドル)
- 経済的に安定していることが必要
- 12ヶ月間のプログラム
- 米国、EUを含む95カ国の居住者のみ対象
「Remotely from Georgia」についての応募・詳細はこちらをご確認ください。
スペインには現在、「Non-Lucrative Visa」というビザがあり、基本的には働く必要のないリタイアした人向けのビザとなっています。
これに加えて、スペインではデジタルノマドビザの制定に取り組んでおり、スタートアップ法「Startups Law」という法案も提出されています。
この法律案では、リモートワーカーは12ヶ月間滞在して働くことができるビザを取得することができるようになる予定です。このビザはさらに24ヶ月間まで延長することができます。
- 年間26,000ユーロ以上の所得(家族がいる場合は、1人あたり約6,500ユーロの財力証明が必要)
- スペインで利用可能な医療保険に加入
- 健康診断にパスしていることが必要
2020年8月、バミューダは世界中からデジタルノマドを呼び込む計画で、新たに「Work From Bermuda」ビザの募集を開始しました。バミューダはフレンドリーで安全な場所であり、リモートワーカーにとって最高の移住先となることでしょう。
- 18歳以上であること
- 12ヶ月間のプログラム
- 申請料として263USドルが必要
バミューダでは、申請者が1年間の滞在中に稼がなければならない収入は決まっていませんが、自分自身と一緒にいる扶養家族を養うのに十分な収入があることを証明する必要があります。バミューダでの就労証明書の申請と詳細については、こちらをご覧ください。
バルバドスは、ヨーロッパの植民地化以前は、先住民族であるアラワク族とカリブ族が住んでいた島です。この美しいカリブ海の島は、デジタルノマドビザを開始するまでに長い道のりを歩んできました。
ノマドにぴったりの「12 Month Barbados Welcome Stamp」プログラムを導入し、延長のオプションも用意されています。
- 12ヶ月間のプログラムであり、更新も可
- 申請料2,000米ドル
- 申請者は雇用形態を証明する必要があり、滞在中に少なくとも5万米ドルの収入を得ることができる人
「Barbados Welcome Stamp」の申請および詳細については、こちらをご確認ください。
2022年1月に開始予定のキプロスデジタルノマドビザは、自営業者または給与所得者で、少なくとも12ヶ月間、キプロス国外の雇用者または顧客と情報通信技術を使用して遠隔で仕事をする非EU国籍の人たちを対象としています。なお、当初の上限は100名です。
新しい滞在許可証では、申請者は最長1年間キプロスに滞在し、さらに2年間更新することができます。さらに、申請者は家族を同伴することができ、その家族には申請に応じて滞在許可が与えられます。
- 1年間有効で、さらに2年間更新可
- 月収要件 主申請者3,500ユーロ+配偶者20%、未成年者各15%
- 医療保険が必要
- 無犯罪証明書
最新のビザ情報は、キプロス政府の公式サイトをご確認ください。
ノマドビザを計画中の国も
タイ、スペイン、ルーマニア等、現在ノマドビザを検討中あるいは法案をすでに提出している国も多数あります。アフターコロナに向けて、今後もノマドワーカーが取得できるビザを導入する国が広がっていく可能性が高いと言えるでしょう。