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マレーシアにはさまざまな民族がいて、さまざまな言語が話されています。英語さえ話すことができれば都市部では生活に困ることはありません。でもマレー語が話せると、マレーシア生活をもっと楽しむことができます。そんなマレー語ってどんな言語かについて概要をまとめてみました。
マレー語の基礎の「き」
この点についてはさまざまな議論も巻き起こることがあるものの、「マレーシア(Malaysia)」は国の名前で、「マレー(Melayu)」は民族の名前とされているので、中国語、タミル語、イバン語と同じく民族名を使用した「マレー語(Bahasa Melayu)」が公式には使用されています。
マレー語はシンガポールやブルネイの国語にもなっていることから、国の名前を使った「マレーシア語(Bahasa Malaysia)」という表記には違和感があることも、Bahasa Melayuが使われる理由の1つとも言われています。
マレー語(Bahasa Melayu)の頭文字を取って「BM」と略して表記したり、話したりすることも多いです。
マレー語とインドネシア語は兄弟言語のように共通点が多く、中には60〜80%同じだという方もいます。ヨーロッパ諸国の植民地時代の名残で、イギリス統治下にあったマレーシアでは英語の影響を強く受け、オランダの統治下にあったインドネシアではオランダ語の影響を強く受けたことによる違いも存在します。
歴史的にさまざまな文化との交流があったため、アラビア語、ペルシャ語、タミル語、サンスクリット語、英語などからの借用語が多くみられます。後ほど説明しますが、マレー語には接辞を使った派生語のシステムがありますが、借用語も同じシステムで派生語が作られます。
マレー語の言語学的分類
マレー語は言語学的には「オーストロネシア語族」に分類されます。マダガスカル、台湾、フィリピン、パプアニューギニア、太平洋の島々の言語が、マレー語と同じ言語族に分類されていて、共通の文法や語彙や発音が存在しています。
マレー語には2種類の文字が
Jawi文字とはアラビア文字のことで、右から左に読むあの文字のことです。15世紀ごろにイスラム教徒がマレーシアに渡来してきた時に持ち込まれた表記システムです。
今でもマレーシアの学校では、選択制でJawi文字を勉強することもあります。また、道路名、地名の看板にJawi文字での表記があったり、Jawi文字で書かれたイスラム教の祈りやメッセージを街中で広く見かけます。
いわゆるローマ字表記で、馴染みのあるアルファベットが使われています。元々はJawi文字が広く使われていましたが、イギリスの統治が始まるとイギリス人によってRumi文字が持ち込まれたとされています。
Rumi文字は日本人にも馴染みがある文字なので、マレー語を勉強したことがなくても簡単に読むことができます。
マレー語を勉強するのは難しい?
新しい言語を覚える共通の難しさを差し引くと、習得が比較的簡単な言語です。複雑な文法事項もほとんどなく、日常生活で使われる語彙も限定的で、発音がひらがな読みとほぼ同じなので、日本人にとってはとっつきやすい言語だと思います。
ただ、なかなかガッツリとマレー語を解説している本が少ないのが辛いところ。Kura-kura.netはそんな穴を埋めるべく、日々マレー語の記事を充実させようと頑張っています。ちなみに私の持っている参考書は次の2冊です。
マレー語の特徴
日本人から見て特殊な発音が少ないので、基本的にはローマ字読みをすればマレー語が読めてしまいます。
マレー語の基本的な文型は英語と同じSVOです。日本語の語順とは異なるので慣れる必要があります。
Saya(S) membaca(V) buku ini(O). (わたしはこの本を読みます。)
Dia(S) makan(V) Durian(O). (彼女はドリアンを食べます。)
日本語では「私の + ドリアン」のように、修飾語(説明する言葉)を先に言います。でもマレー語では逆で「ドリアン + 私の」という語順になります。
私のドリアン → Durian saya (ドリアン + 私の)
裕福な人 → Orang kaya (人 + 裕福な)
マレー語にはヨーロッパの言語のように男性型・女性型・中性型がほぼありません。“Dia”という言葉は「彼(男性)」にも「彼女(女性)」にもなります。
例外もあります。「きょうだい」を表すには、Saudara(男性)とSaudari(女性)を使い分けます。
時間に関してマレー語はとっても曖昧です。英語のように時間によって動詞の変化が起こるなんてこともありません。
例えば、“Saya tidur.” というと、「私は寝てた(過去)」「私は寝てる(現在進行)」「私は寝る(現在)」「私は寝ます(将来)」のどれにでもなれます。
時間をあえて表現する必要がある場合は、助動詞か時間を示す表現を追加することで表現できます。もし時間を示す表現がない場合には、文脈から判断することになります。
Saya sudah tidur.「私はすでに寝た。(完了)」
Saya sedang tidur.「私は寝ているところです。(進行系)」
Saya tidur pada pagi tadi.「私は今朝寝ていました。(過去)」
マレー語には「接辞」と呼ばれるアタッチメントを「ルートワード(語根)」という基本的な単語の前や後ろにくっつけて、多彩な意味や品詞を表現します。辞書の見出し語はルートワードから引くようになっている場合もあって、慣れるまでは大変なことも。
例えば、jalan(道)というルートワードから…
- berjalan: 歩く
- menjalankan ~: (仕事•責任)を実行する
- perjalanan: 道のり
といった派生語が作られます。ルートワードの意味合いを引きずっているので、1つ覚えたらたくさん覚えられておトクな気分になりますね。
日本語で何かを数える時に単位を使う(1枚、2枚、3枚…など)ように、マレー語にも助数詞があって、数える対象物の形や種類によって使い分けます。
2 orang lelaki: 2人の男
3 naskhah buku: 3冊の本
5 biji tembikai: 5玉のスイカ
4 batang kayu: 4本の木材
マレー語には畳語(じょうご)があって、複数形を表したり、反復した動作を表したり、強調したり、相互の関係を表したりします。音はすごくかわいく聞こえます。
tuan-tuan dan puan-puan: いわゆる「レディース•エン•ジェントルマン」(tuanは男性への敬称で、puanは女性への敬称)
otak-otak: 魚のすり身の食べ物(otakは「脳」という意味)
jalan-jalan: 散歩 (jalanは「道」という意味)
sangat-sangat susah: と〜〜っても難しい (sangatは「とても」という意味で、2回重ねると「と〜〜っても」という感じになります)
まとめ
ざっくりとマレー語の概要についてまとめてみましたが興味が湧いてきましたか?マレー語の文法を学びたい場合は「マレー語学習ガイド」へ。マレー語の日常会話を学びたい場合は「マレー語の日常会話」へお進みください。